米沢探見隊

米沢を見る。知る。探る。米沢再発見!イイネ!
「米沢の宝」といえるさまざまな地域資源を学生が探ります。実際に訪問して見て・聞いて・感じたことをご紹介。

最新号●2014年はる号(H26.4.14) ※写真をクリックすると大きい画像が見れるよ!

第6回「甲子大黒天本山」
小野川温泉にある甲子大黒天(きのえねだいこくてん)本山を訪ねました。精神を統一させる写経体験で心を落ち着かせ、自分を見つめ直しました。心が揺れ自分を見失いやすい現代社会においては、肩の力を抜いて心をおだやかに保つことが大切です。
 笑顔の大黒様が印象的
米沢の奥座敷で、小野小町の縁の温泉地、小野川温泉を一望できる高台に、甲子大黒天本山があります。小野川温泉街入ってすぐ、案内所の手前を右に入り、赤い橋を渡って看板が見えたら坂を上り、高台に着くと大きな大黒様が笑顔で迎えてくださいます。弘法大師が湯殿山を開創されたときに、大日如来のお告げにより作られたとされるのが、甲子の大黒様です。旧暦で甲子の日にお祭りを行っていたことから甲子大黒天と名付けられました。昔から家門繁栄、商売繁盛、開運招福のご利益で人々に親しまれ、福・禄・寿を授けてくださるといわれています。【写真1】

 自分と向き合い、心を落ち着かせる写経
甲子大黒天本山では、若い人にも、気軽にお寺に来てほしいと、5年程前から、お堂での写経体験を始めました。仏様の教えを写すことで功徳を積み、願い事をかなえていただけます。静かなお堂で行う写経は心を落ち着かせ、気持ちをリフレッシュさせてくれます。作法に沿って、塗香で手を清め、合掌して心を落ちつかせ、無心で経文を書き写していきます。筆先に集中し、書き進めると自然と無心になっている事に気が付きます。書き方や作法はひとつひとつていねいに教えて頂けたので、きちんと理解しながら体験することができました。【写真2】

 仏教に親しみを感じる
お経を書き写すことは仏教の宗派関係なくできることです。私たちの生活は時間に追われてバタバタと過ぎていき、または、ストレスに追われてイライラする毎日です。でもそれは人間本来の生き方ではありません。ゆっくりのんびりおおらかに、人生を楽しんで生活できるのが一番です。写経を体験すると、静かな部屋に墨をする音、体を動かしたときの音など普段の生活では目立たないような一つ一つの音が響きました。日常生活は、テレビの音や音楽、雑音に溢れています。そのため、写経をしている時間はまさに非日常で、自分の思いとだけ、向き合う事ができます。また、写経を通して仏教が親みやすい身近なものに感じることができました。皆さんも日常あわただしい日常から少し離れて、非日常の世界を味わってみてはいかがでしょうか。【写真3】

住 所/米沢市小野川2580
TEL/0238-32-2929
定休日/無休
(行事等により写経の体験ができない場合有)
受付時間/9:00~16:00

写経体験
1000円 約1時間
※前日まで予約が必要です。

バックナンバー●2014年ふゆ号(H26.1.10) ※写真をクリックすると大きい画像が見れるよ!

第5回「笹野民芸館」
米沢の伝統工芸品、笹野一刀彫お鷹ぽっぽの実演・販売を行う笹野民芸館さんを訪問しました。"お鷹ぽっぽ"は、凛とした表情が特長で、『商売繁昌の守り神』とされています。
 願いを込めて一刀彫
米沢市の伝統工芸品、笹野一刀彫。米沢市の南部、笹野地区に古くから伝わる民芸品です。笹野民芸館さんでは、一刀彫の実演、展示、販売、絵付け教室などを行っており、身近に一刀彫に触れる事ができます。「フクロウ」や「ニワトリ」、「亀」などの一刀彫にはそれぞれ願いが込められています。"一刀彫"という名から分かる通り、「サルキリ」や「チヂレ」と呼ばれる独特の出刃包丁のような刃物1本を使って、削り出して作られます。木から一つの作品になっていく様子は長年培われた職人の丁寧で繊細な技が生み出しているという事が分かります。【写真1】

 千余年の歴史があります
笹野一刀彫の歴史は、千百余年前に遡ります。坂上田村麻呂が戦勝を祈願して開基した千手観音(笹野観音)と共に信仰玩具として興ったとされています。その後、第九代米沢藩主上杉鷹山が、冬期間の農家の副業として奨励し、技術が継承されてきました。雪国である米沢では、冬期間の生花を用意できないため、「笹野花」を神仏に供え先祖供養に用いられてきました。冬に飾る花として需要があり、昔は置賜地域を売って歩いたそうです。【写真2】

 受け継がれてきた伝統
千数百年も間、米沢市笹野地区に代々と伝承されてきた笹野一刀彫。職人たちは、囲炉裏を囲んで、親の作る一刀彫を見よう見まねで作って来たそうです。家庭で代々受け継がれてきた技術も、現在は生活環境の変化や時世の影響で後継者がいないことが悩みでもあるそうです。一刀彫お鷹ぽっぽの絵付け体験は小学生から大人まで、誰もが気軽に体験する事ができます。歴史とともに引き継がれ、米沢に息づく伝統工芸という財産を私たち一人ひとりが認識し、次世代に遺していきたいですね。【写真3】

【INFO】
笹野民芸館 
米沢市笹野本町5208-2 TEL/0238-38-4288
10:00~16:00 
定休日/元日
体験:お鷹ぽっぽの絵付け体験ができます。
料金:大/1000円・小/800円 時間:30分程度 ※事前に予約が必要です。

バックナンバー●2013年あき号(H25.10.11) ※写真をクリックすると大きい画像が見れるよ!

第4回「ウメチギリ」梅津郁子さん
「ウメツ」が「チギって」いるから「ウメチギリ」というユニークな発想のもと、オリジナルのちぎり絵作品を発表する、ちぎり絵作家の梅津郁子さんを訪問しました。
 触れて感じるちぎり絵のあたたかさ
米沢市の上杉雪灯篭祭りのポスターや市報の表紙などで、「ウメチギリ」の作品を見た事がある方も多いのではないでしょうか。作品は手でちぎっているとは思えない程繊細で優しく、見る人の心をほっこりと和ませてくれます。そこには、和紙が持つ独特の柔らかさを生かし、柄を組み合わせたり、重ねたりしながら、梅津さんの世界観が描かれています。「絵画の際に絵の具を混ぜるように、ウメチギリは、和紙の紙質や模様の雰囲気によって使うものを選びます」梅津さんの使用している和紙は厚さも性質も本当にさまざまあります。【写真1】

 和紙が持つ素材の力で作品作り
梅津さんがちぎり絵を始めたきっかけは、絵本出版の挿絵をちぎり絵で表現したことがはじまりです。梅津さんはもともと文筆業をしており、絵本を出版することになった時に、出版社の方に「挿絵は描けますか」と聞かれ、「はい!」と思わず答えてしまったんだそうです。「いざ描くという時に、基礎も何もないけれど、中学美術までで習った知識と絵の具、色えんぴつを持ち出して描いてみたものの、自分の文章のイメージとはなかなか合わずにどうしようかな、と思っていた時に、子供の頃に遊んでいた和紙人形を思い出し、苦肉の策ではないけれど、和紙で何とか作りたいと思ったのが最初です」。そこから、絵本の挿絵や、作品作りがスタートしました。「出来上がったものはやっぱり、柔らかかったりあたたかかったりして純粋に"いいな"と思っていて、それらのほとんどは和紙が持つ素材の力で、なんです。ちょっとくらいいびつでも、それがまたいい感じに仕上がってくれるんです」。【写真2】

 「好き」や「楽しい」をもっと大事に
梅津さんのちぎり絵作品づくりのベースには「好き」と「楽しい」があります。そのベースは作品づくりに限らず、仕事でも普段の生活でも、何をするにも当てはまる事で、「好き」や「楽しい」がないと大変な時にがんばる事が出来ません。嫌いな事を楽だからとやっていては、大変な時に絶対に乗り越えられません。「"好き"を見つけることが第一優先ですが、見つからない場合はいろんなことに取り組んで選択肢を広げる事が大事です。下手や苦手の中にも"好き"が隠れている事があります」。"自分流のちぎり絵を楽しむ"梅津さんの想いが作品にも表れているなぁと思いました。「ウメチギリ」の作品を通して自分の好きなことを見つける楽しさ、また「好き」や「楽しい」を続ける大切さを学びました。【写真3】

【INFO】
梅津さんの作品は『ギャラリー アートステーション』で見る事が出来ます。
米沢市門東町3-3-1ホテルサンルート米沢(共立ビル)1階(月・火休)
※ちぎり絵体験希望の方は3名から受け付けます。
ウメチギリHPより事前にお問い合わせください。
http://www.umetigiri.com/